まず動いて、動きながら考える
事業とは常に選択の連続

  • 川本 栄介(スマートコントラクト事業部 部長)

アルバイトから事業部長へ


川本さんは多くの事業を担当されているイメージがありますが、どんな経歴をお持ちなのか教えていただけますか?

実は、DMMへは出戻りなんですよ。1999年の4月、まだ18歳の頃、KC(現DMM.com)のマルチメディア事業部っていう部署にバイトで入社しました。コンテンツ作りからDMM.comの基本的なサイト制作まで携わりました。亀山会長も松栄社長(当時・現役員)も、パワポでフロー書いても理解してくれないので「コレ押したらこうなります、こうやったらこう動きます」ってぱっと見て分かるようにHTMLで紙芝居を数百枚作って、試行錯誤しながらやってましたね(笑)。
そんなところから始まって、月額サービスやペイ・パー・ビュー、物販やライブチャットなど新規事業の立ち上げ、格闘技のライブ配信の現場責任者まで、さまざまなことを経験させてもらいました。そこまでがDMMでの第一幕。
そのあと10年間、SIerやベンチャー企業など7社を渡り歩きました。海外ECの開拓のため中国やインドネシアで事業立ち上げに参加したり、フリマのアプリを作ったり、まだ世の中にない新しい事業を中心に経験を積んできました。多種多様な世界で揉まれて、どんな状況になったとしても「死ぬわけじゃないし、なんとかなるわ~」って耐性がつきました。

戻ってきた際にきっかけはあったんですか?

たまたまDMMで一緒に働いていた頃の仲間と食事をした時、awabarに会長がいると聞いて、会いに行ったんです。会長は「社会での育ての親」みたいな人なんですが、辞めてからほとんど音信不通で10年ぶりだったので、実は怒られるか無視されるかと緊張しましたが、会った瞬間「なんやお前、戻ってきたいんか」と言われ。思わず「はい」って言ってました(笑)。

DMMは最強のベンチャー


2016年に戻ってきてから、本当に多くの事業を担当されてますよね。

戻った直後は野村役員のもとで新規事業を企画して、そこからオンラインサロンと家事代行サービスのOkanの事業部長を担当しました。オンラインサロンは担当してから、月商約1億まで成長させ、昨年事業部長をバトンタッチしました。そのタイミングで、マイニングなどの仮想通貨関連の事業の話が出てきたんです。

その話を聞いたときどう感じましたか?

即答でしたね、「やる?」って聞かれて「はい」って(笑)。それまで担当してきたオンラインサロンも家事代行も、既に他社の前例がある事業だったけれど、ブロックチェーンのような最先端の技術とそれを取り巻く世界には、答えがない。面白そうだなって、直感で感じました。未知の世界に飛び込むには、「新しいことをやりたい」っていう気持ちがないとできない。

実際にご自身でも仮想通貨の取引を始めたんですか?

私はやらないんです。恣意的な行動が入ってしまう可能性があるので、この事業のこのポジションにいるうちはやってはいけないと思っています。価格変動を横目に「いつ売ろうか買おうか」とか、そんなことでソワソワするわけにはいかないですからね。自分では決して持たないけれど、会社としてマイニングして稼いだクリプトの管理はしなければいけないので、そこにはとてつもない緊張感が伴います。

今回新たに立ち上げたスマートコントラクト事業は、日本でもまだない新しい分野かと思いますが、そこを始めようと思ったきっかけはあったんですか?

片桐社長と「クラウドマイニングだけでもある程度は利益がでるだろう。でも、僕らのゴールって何だろう?」という話になったんです。単純に利益を増やし続けるだけでは、事業者としてあまりにも夢やビジョンがない。じゃあ、ブロックチェーンという分野でその次に何をすべきか、と考えた時に、「クリプトで使えるサービスを作ろう!」という結論に至りました。
ウォレットに入っているクリプト自体を使えるプロダクトに繋げていかないと、投機目的だけじゃ面白くない。そこで出てくるのが「スマートコントラクト」という、ブロックチェーンを使った新しい概念なんです。
この分野にしっかりと取り組んでいく。投資する価値もあるし、間違いなく会社としての成長に繋がると考えています。マイニングで生み出した利益はすべてスマートコントラクト事業に投資するつもりでいるので、事業としての連続性もある。
これだけクリプトが騒がれるのは、それだけ多くの人が興味関心を持っているから。この状況で次の一手を考えるなら、プロダクトをつくることにビジョンを描くのは自然の流れで、まさに今、先手を打ってやるべきだと思っています。

ブロックチェーンを展開していくにあたり、DMMの強みは何だと思いますか?

スピードかな。上場もしてないしね。事業承認が下りた後は、会長も社長もよっぽどのことがない限り、「やっていいよ」っていうスタンスですし、頭ごなしに「ダメ」と言われることはない。「常に新しいことに投資しよう」という考え方がDMMにはあって、利益を残して銀行にたくさんの現預金を持つことを良しとはしないから。
マイニングにしても、その他のブロックチェーン関連の事業にしても、やるとなったらそれなりの予算が必要ですが、DMMはそれもスピード決済!この規模の企業としては考えられないほど、決断が速い。ベンチャー的な動きができるけど、ただのベンチャーじゃなくてお金のあるベンチャー。それがDMM。最強ですね(笑)。

とはいえ、やはりスピードはリスクが伴うものだと思います。

事業部のメンバーには、「まず動いて、動きながら考える」と常に言っています。素早い決断にはもちろんリスクもあるけど、事業って常に選択の連続なんです。一つの選択から派生してまた新しい選択があるから、一つひとつの選択の質をどう上げるかが大切。選択の先にあるプランや仮説は、多ければ多いほど望ましい。こればっかりは、いろいろな会社や事業で場数を踏んだ経験が活きてると感じてます。
動くうちに次の景色が見えて、その先々にさらに新しい選択肢が現れて、そこでまた動く。ダメだったら戻ってみて、また違う選択肢を試してみる。止まってる暇はない。思いついたことは、すぐにメンバー間で共有するようにしています。

TOP