いい事業から始まる、いい組織

  • 片桐 孝憲(合同会社DMM.com 代表者)

事業とはトレンドを意識し常に勉強していくこと


衝撃の代表就任から1年経ちましたね。まずこの1年を振り返ってみるといかがですか?

就任当初はオフィスもまだ恵比寿にあって、既存の開発体制の改善とかに取り組んでいたんだけど、六本木に移転して気分一新という感じかな(笑)。
仕事ってまずどんな人がいるかを知ることが重要だと思っていて、2~3ヶ月経ってだんだんとDMMの仕事のやり方とかどんな人がいるかとか、DMMの組織とか文化がわかってきて、春頃から「よし、新しい事業を作っていこう!事業で組織を牽引していこう」と思うようになりました。

就任してから次々と新しい事業を発表していますが、新規事業を創る上ではどんな点を見ているのでしょうか?

見ている点ははっきりしてて、「ビジネストレンドをキャッチアップしてるか」ってこと。例えば今ならスマートコントラクトとかブロックチェーンとか、そういう分野が伸びやすいってことは誰もがわかってることでしょ。
「DMM TELLER」みたいな小説アプリはアメリカでも流行しているし、世界的に見ても「これが来る」と分かってるわけ。そういったビジネストレンドを、「どのチーム」で「どれだけ上手く作るか」っていうのが事業だと思ってる。ゲームで例えるなら、強いのは「ルールを完璧に理解した人」だということ。事業も一緒で「ルールや勘所をいち早く理解して、一番良く作る」という点が大切。あとはそれを「誰がやるか」というのも重要だね。

今、片桐社長が気になってる事業領域はどんな分野でしょうか?

やっぱりブロックチェーン、スマートコントラクト。あとはDMMグループのBANK社(CASH)がやってる二次流通市場かな。二次流通市場は巨大すぎてヤフオク・メルカリ・CASHでもちょっと市場の葉っぱの片隅を食べてるくらいの状態。街中に買取屋とかたくさんあるけど、あれも全部二次流通市場だし、まだ顕在化していない市場だってあるからね。ここのシェアを大きくしていきたいよね。
あと市場とは少し違うけど伸ばしていけそうな点しては、広告収益モデルの事業を強化していきたい。DMMのインターネット事業でいうと、ユーザー課金ベースが多い。だからもっと広告から収益を取れるような事業にも注力していきたいね。

今まで多くの事業を立ち上げてきたかと思いますが、過去の経験が活きたことはありますか?

新規事業には過去の経験とかスキルはあまり関係ないよね。結果的に活きる場合はあるかもしれないけど、何事も勉強しながらやっていくしかない。自分の経験とかスキルを活かしてやっていくよりは、次に来そうなトレンドを勉強しながらやっていくほうがいいと思う。DMMってそういう会社だよね。事業っていうのは常に勉強していくことだね。

いい事業ができたら、いい組織ができる


DMMってどんな人がいる会社だと感じますか?

基本的にみんな真面目だね、もちろんいい意味で(笑)。そこが共通しているだけで、あとは本当に多種多様だよね。前職では年齢とか価値観が近い組織でやってきたから、こんだけ価値観や国籍も含め全てバラバラで、本当にいろんな人がいるなと感じてるよ。
やっぱり多種多様な人材が集っているからこそ、多種多様な事業があるんだと思う。そこがいいとこでもあるんだけど、「あちらを立てれば、こちらが立たず」というのが起こりやすいから制度作りとかは一つにまとめるのがすごく難しい。
あと圧倒的に事業を創り出したいと思っている人が多いし、入社してくる人も基本的に事業をやるっていうイメージで人が集まってくるから、その点はすごくやりやすいと思う。普通は新規事業って難しいし、大抵はうまくいかないからみんなやりたがらないんだよね。それでもやる気があるってすごいことだと思う。「失敗してもいい(詐欺と金さえ盗まなければ!)」っていう風土があってこそだろうね。

以前、「いい事業ができたら、いい組織ができる」と語られていましたが、社長が考える「いい組織」ってどんな組織ですか?

いい組織は作ろうと思っても作れない。組織を作るときは、まずどういう事業を作るのかを選択して、そのためにどういう人材が必要で、その人材を使ってどんな戦略を打つのかという流れで考えていくから、すべては事業から発展していくことになる。
あと、事業っていうのはどこに向かうかというのをはっきりさせなければならない。「こういう人がいるから、こういう事業をやろう」となると、例えいい組織であっても、その組織自体に向かうべき先がなくなってしまう。だからまずは事業を最優先で考え「このマーケットを取るために最適化された組織」っていうのが一番いい組織だと思う。
次に、働くときの満足度が重要になってくる。やっぱり自分が作ってるものだったり、提供しているサービスが「社会のためになってる」とか「ユーザーに使われてる」といったことから満足感ってくるものだと思う。なにもしなくても給料くれる会社が一番イケてない、やる気も出ないしね。やはり社会の役に立ってこそだよね。
最近、世の中では「個の時代」や「フリーランスの活躍する時代」と言われてるよね。そういう時代に改めて「会社で働く意味ってなんだろう」と考えると、やっぱり人がいてコミュニティみたいになっていることだと思う。人がいることで勝手に情報が入ってきたり、一緒にいることでお互い学びあえる。そこで個人が活躍できて、信頼しあえるからこそいい事業が作れる。そういう組織を作っていきたい。
それを実現するために、開発アワードやビジネスコンテスト、交流会とかいろいろやってきたけど、浸透するにはまだ時間がかかるだろうね。2~3年くらい継続して、ようやく「いい感じに根付いてきたな」って実感が得られるものだと思ってる。

ビジネスコンテストはまさに現在進行中ですね。今年は「チーム制(エンジニア/デザイナー/企画 など)」と「プロダクトピッチ」というルールが導入されたことで内容的にはかなり実現性の高いアイデアがでてきたのではないでしょうか?

そうだね、実際作ってるからね。ビジネスコンテストの目的としては、もちろんいい事業が出てきて欲しいというのもあるけど、それと同時に「何かを一緒に作りあげたチームがそこにある」という点が大切。なぜならチームがあれば「これダメだったら、次これやってみよう」っていうのが出来やすくなるよね。ビジコンは事業だけじゃなくて、そういう小さい組織がいっぱいできればいいっていう意図もある。実際、企画だけじゃ意味ないからね。カタチになって出てくる発表が楽しみだね。

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